2015/11/12 中建審/「解体」経審で意見聴取/16年6月以降決算に適用

【建設工業新聞 11月 12日 1面記事掲載】

中央建設業審議会(中建審、国土交通相の諮問機関、石原邦夫会長)の総会が11日、東京・霞が関の経済産業省別館で開かれ、建設業許可業種に「解体工事業」が追加されたことに対応した経営事項審査制度(経審)の改正案について意見を聴取した。今後、経審の内容を規定した改正国交省令を公布し、16年6月1日に施行する。施行日以降に決算日が到来する企業から改正内容に沿った受審が可能になる。

改正案では、許可業種ごとに異なる数値を記載する完成工事高評点(X1)と技術力評点(Z)を解体工事にも対応させ、X1では「解体工事の完成工事高」、Zでは「解体工事の元請完成工事高」と「解体工事の技術職員数」を申請するようにする。

施行後3年は経過措置期間として、新たな許可区分の「とび・土工工事業」と「解体工事業」の総合評定値に加え、解体工事を分離する前の許可区分「とび・土工工事業」の総合評定値も算出して通知する。1人の職員が技術職員として申請できる業種は二つだが、とび・土工と解体の両方を申請する場合に限り、申請可能業種を三つまで認める経過措置も講じる。

総会ではこのほか、国交省から建設産業の現状と最近の取り組みについて報告。都道府県が発注する工事の入札で不調の発生率が15年度に入ってから前年度より下がってていることを説明した。不調率低下の背景には、公共工事設計労務単価の機動的な見直しや最新の施工実態を踏まえた積算基準の見直しなど、これまでの施工確保対策が奏功したことが挙げられている。建設産業の担い手確保・育成に向けた取り組みも報告された。

横浜の分譲マンションで基礎杭が支持層に届いていなかった施工不良の問題をめぐる国交省の対応状況についても報告した。

国交省の海堀安喜建設流通政策審議官は「建設産業には地域の守り手として極めて重要な役割があり、日本経済の再生でも大きな役割がある。将来を見据えて産業全体の力を高めていくことが喫緊の課題だ」と述べた。

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