2008/01/15 入札参加有資格者名簿-市区町村の1割が作成せず/ランク付け実施も促す/国交省


【建設工業新聞 1月15日 記事掲載】

  公共工事の発注機関がその機関での入札参加資格を持つ建設業者などを登載した「有資格者名簿」を、全国の市区町村(政令市を除く)の約1割に当たる212自治体が作成していない実態が、国土交通省の調査で分かった。有資格業者のランク(順位)付けを行っていない自治体は、名簿を作成している自治体も含め約15%の256自治体に上った。国や、都道府県・政令市などの大規模自治体はいずれも、名簿作成と業者のランク付けを行っており、同省は市区町村にも今後、同様の取り組みを促す。名簿を作成していても登録業者を経営事項審査(経審)の評点(客観点)だけで評価している自治体も多く、同省は市区町村向けの主観点評価マニュアルを08年度上半期にも作成する方針だ。
  同省の調べによると、政令市を除く全国1810市区町村のうち、有資格者名簿を自ら作成していたのは1550自治体。48自治体は他の発注機関の名簿をベースに主観点を加減点して作成していた。作成していなかった212自治体のうち115自治体は、入札の際は他の発注機関の名簿をそのまま利用、97自治体は他機関の名簿も利用していなかった。名簿を作成していない212自治体を含めた256自治体が業者の順位付けをしておらず、作成している自治体でも、4割近い717自治体は客観点だけで業者を評価、ランク付けしていた。
  同省は、経審の審査基準が08年度に一新されるのに加え、各発注機関の次期(09・10年度)入札参加登録が08年度下半期にも行われることから、市区町村向けに主観点評価の採用を促すとともに、採点方法のマニュアルを早急に作成する考えだ。
  公共工事の発注機関の多くは、2年に1度、有資格者名簿を作成して、登録業者を格付けしている。国交省直轄工事の場合、経審の評定値を利用する客観点数と、独自に建設業者を採点した主観点数を、ほぼ1対1の割合で合算し、その総合点をベースに登録業者の順位付けを行っている。ただ、自治体の場合は、主観点評価のウエートが低いのが一般的で、同省は主観点評価の採用を促す際、主観・客観点比率にはこだわらず、主観点を採用してもらうことを当面の目標にする考えだ。

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