2008/03/26 国交省/専門工事審査型を本格実施、1次下請けを評価/CM導入へデータ蓄積も


【建設工業新聞 2月26日 記事掲載】

  国土交通省は08年度、「専門工事審査型総合評価方式」の入札を、同省直轄工事で本格実施する。1次下請けとして使う専門工事業者を発注者が評価し、応札した元請業者の総合評価値に反映させた上で落札者を決める仕組みだ。施工体制評価型総合評価方式の試行工事(予定価格2億円以上の一般土木、PC、鋼橋)を対象に実施する。同省は将来的にCM(コンストラクション・マネジメント)方式の本格導入を視野に入れており、CM方式で必要になる専門工事業者の評価基準の確立や評価のためのデータ収集・蓄積に、専門工事審査型総合評価方式の入札データを活用する考えだ。
  専門工事審査型総合評価方式は、地方整備局長の判断によって本年度に数件の工事で試行された。同省は近く通達を出し、全地方整備局で試行できるようにする。加算点部分(最大で70点満点)の一部を「専門工事審査評価点」とし、専門工事業者に関する施工計画(実現性や確実性、精度管理など)や同種工事の施工実績などを評価項目にして採点する。加算点のうち、どの程度を配点するかは地方整備局に判断してもらう。元請業者の品質確保や施工体制を評価する施工体制評価点(30点満点)とは別枠の評価となり、従来方式に比べ、加算点評価での元請業者の評価ウエートは下がることになる。専門工事業者の良しあしが、元請業者の受注を左右することになりそうだ。
  同省が下請けとなる専門工事業者を直接評価・選定するのは初めて。同省はCM方式を直轄工事でも本格導入したい考えだが、現時点では専門工事業者の評価基準の確立やデータ蓄積といった前提条件が整っていない。そこで、専門工事審査型総合評価方式の入札案件を通じてデータを収集し、評価基準の確立につなげる方針だ。
  本年度試行工事のうち中国地方整備局の発注案件では、応札業者2者がいずれも専門工事業者の審査部分で満点を獲得。さらに、2者中1者が予定価格を超過して事実上の「1者応札」になったことから、専門工事業者の評価が元請業者の受注に影響を与えたかどうかは確認できていない。

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