2008/08/06 国交省/登録基幹技能者の効果的な活用策検討/総合評価加点視野に


【建設工業新聞 8月6日 記事掲載】

  国土交通省は、建設業法に基づいて認定される「登録基幹技能者」の効果的な活用策を検討する。総合評価方式の入札で評価点の加点要素にすることや、工事現場への配置の義務付けなどを視野に入れており、基幹技能者資格を運営する専門工事業団体などが加わる「基幹技能者制度推進協議会」(事務局・建設業振興基金)が、建設業団体や発注機関に登録基幹技能者の現場での評価などについて聞き取り調査を実施。この結果を踏まえて検討作業を本格化させる。
  登録基幹技能者は、講習実施機関として国土交通省に登録された基幹技能者資格の運営団体が行う講習を受講し、修了証を取得した人に資格が与えられ、建設業者の経営事項審査(経審)で今春施行された新審査基準では、新たに登録基幹技能者の保有が評点の加点(1人当たり3点)要素となった。国交省は、総合評価方式の入札で登録基幹技能者の配置を評点の加点対象にすることが可能かどうかや、元請業者による登録基幹技能者の活用促進策、工事現場への登録基幹技能者の配置義務化などを検討する方針。同省は、まずは公共工事で登録基幹技能者を積極的に活用してもらった上で、民間工事にも順次普及させていきたい考えだ。
  経審での加点措置がスタートしたことで、基幹技能者講習の実施機関として同省に登録する専門工事業団体は着実に増加しているが、有資格者が実際の建設工事現場で有効に機能するかどうかは不透明。日本建設業団体連合会や日本土木工業協会、全国建設業協会など技能者を現場で活用する立場にある元請業者の団体は、登録基幹技能者をできるだけ活用したいとの考えを示しているが、登録基幹技能者だからといって安心して仕事を任せられるかどうかについては懐疑的な見方もあることから、国交省は推進協議会と連携して、登録基幹技能者の利点や問題点などを整理した上で、より効果的な活用方策を検討することにした。
  基幹技能者は、工事現場で働く技能者を束ねる指導的立場の熟練技能者が認定され、現在、専門工事21職種で基幹技能者資格が設けられている。7月末には、日本運動施設建設業協会ら5団体が新たに推進協議会に加わり、基幹技能者認定制度の実施団体は33団体となった。

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