2008/10/16 総合評価導入、市区町村の4割超に/前年度から倍増、普及促進策が奏功


【建設工業新聞 10月16日 記事掲載】

  公共工事の入札で総合評価方式を導入済みの市区町村(政令市を除く)が、08年度は4割を超える見通しであることが、国土交通省と総務省の調査で明らかになった。導入自治体は06年度が約2%、07年度が24・3%だったことを考えると着実に拡大しているといえ、自治体向けに実施マニュアルを策定したり、導入シンポジウムを開いたりするなど、国交省を中心に市区町村の総合評価方式導入を後押ししてきた効果が顕在化してきた形だ。
  両省が全自治体を含めた公共発注機関を対象に毎年度行う「公共工事入札契約適正化法に基づく実施状況調査」で明らかになった。途中集計の段階ながら、本格導入あるいは試行導入の予定も含めると、08年度中に4割を超える市区町村が何らかの形で総合評価方式を導入する見通しという。既に都道府県と政令市はすべて総合評価方式を導入済みで、政令市を除く市町村への普及拡大が大きな課題になっている。
  自治体に総合評価方式を普及させるため、国交省は07年3月に自治体向け実施マニュアルを策定。自治体の実施状況を踏まえて08年3月には改訂版を作成して導入を支援してきた。併せて08年4月には総務省と連携して自治体向けに総合評価方式の導入シンポジウムも開催。両省の幹部が講演で総合評価導入の必要性を訴えており、こうした努力が徐々に実を結びつつあるようだ。
  ただ、同調査では1件でも総合評価方式を導入すれば導入自治体の一つとしてカウントされることから、導入した工事の件数ベースで見れば、普及状況はこれよりも低い数字になる可能性が高い。このため国交省は「(詳細な)調査結果がまとまれば、さらに総務省と連携して導入への働きかけを行う」(総合政策局建設業課)としている。併せて年2回開く都道府県の土木部監理課長等会議などの場も活用し、総合評価導入の必要性を訴えていく方針だ。

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