2008/10/29 国交省/整備局工事の入札不調、前年度比345件増/積算基準見直し検討も


【建設工業新聞 10月28日 記事掲載】

  国土交通省の各地方整備局発注工事で、入札不調が増加していることが、同省が27日公表した「直轄工事等契約関係資料08年度版」で明らかになった。07年度の随意契約を除く競争契約は1万1186件、うち入札不調になった工事は770件と前年度より345件増加。全体の6・8%を占めた。同省によると、小規模で工期が短い工事のほか、都市部の舗装工事や橋梁工事など地元や警察との調整に手間がかかり、利益を出しにくい工事で入札不調が特に多く発生する傾向がある。
  入札不調になった770件のうち港湾空港工事を除いた728件を入札方式別にみると、WTO政府調達協定が適用される大規模工事の一般競争入札では210件中2件しか不調にならなかったが、協定適用外の一般競争は9719件中637件、工事希望型は505件中70件、通常指名競争は68件中19件が不調となり、小規模工事ほど不調の発生割合が高かった。
  不調後の対応(複数回答あり)は、工事内容の変更による再発注が414件、入札参加要件の緩和による再発注が160件、入札方法の変更による再発注が114件、不落随契へ移行が42件、その他143件となっている。港湾空港工事でも同様に金額が低く利益を出しにくい工事で入札不調が多発する傾向が見られ、WTO政府調達協定が適用される一般競争では50件中4件、それ以外の一般競争では588件中31件、工事希望型で41件中7件となっている。
  発注者側の積算が実勢を反映していないこと入札不調多発の原因との見方もあるため、同省は07年度から、不調案件を再公告する際、入札参加者から見積もりの提出を求め、それを参考に予定価格を算定し直して再公告する方法を試行している。同省は今後、見積もり提出を求めた工事で予定価格がどの程度変化したかを検証した上で、積算基準を見直すかどうかを検討する方針だ。

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