2008/11/12 資金繰り支援新融資制度-1週間で相談139件、保証事業会社らに/国交省まとめ


【建設工業新聞 11月12日 記事掲載】

  国土交通省が4日にスタートさせた「地域建設業経営強化融資制度」について、融資の相談窓口である前払金保証事業会社と子会社に1週間で139件もの問い合わせが寄せられたことが分かった。各地の事業協同組合も相談窓口を設けており、これを加えれば問い合わせ件数はさらに増えるとみられる。融資制度の活用促進に向け、保証事業会社に依頼して建設業協会が独自に説明会を開くなどの動きも見られ、中小・中堅建設会社の資金繰りを支援する融資制度の立ち上がりは上々のようだ。
  同制度は、既存の下請セーフティーネット債務保証事業を拡充。公共工事の請負代金債権を担保に、工事の出来高を超える部分についても融資を受けられるようにしたもので、▽建設業振興基金の債務保証による事業協同組合または民間事業者からの転貸融資▽保証事業会社の債務保証による金融機関からの直接融資-を組み合わせることで、請負代金のかなりの部分を早期に現金化できる。地域の中小・中堅建設会社の資金繰り支援が狙いだ。転貸融資を行う民間事業者として、保証事業会社の子会社である北保証サービス(北海道)、建設経営サービス(東京都)、建設総合サービス(大阪府)が認定され、保証事業会社とこれら三つの子会社、各地の事業協同組合が融資の相談窓口になっている。
  国交省のまとめによると7日現在、北保証と北保証サービスには9件、東保証と建設経営サービスには60件、西保証と建設総合サービスには70件の問い合わせが寄せられた。融資を利用するには、工事の出来高査定に1週間程度、さらに事務手続きに数日程度を要するため、まだ融資実行に至った工事はない。問い合わせの内容は、制度全般に関するものがほとんどだが、工事発注者による利用制限、保証料率や金利を含め、利用手続きに関する具体的質問もあったという。全国の事業協同組合への問い合わせ数は把握し切れていない。
  融資制度に関する国交省主催の説明会は各ブロックで開催済みだが、各建設業協会が保証事業会社に依頼してさらに詳細な説明会を独自に開く動きも広がりつつある。11日には東北建設業協会連合会が東保証の担当者を招き説明会を開いた。同様に、富山、京都、兵庫の各県建設業協会も独自説明会を予定している。

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