2008/11/27 建設会社のICT活用、大手と中小で大きな差/パソコン普及率は向上/建設経済研


【建設工業新聞 11月27日 記事掲載】

  建設経済研究所は、建設会社に行った企業経営での情報通信技術(ICT)の活用状況調査結果をまとめた。パソコンの普及率は、管理部門、現業部門ともに着実に上昇。「普及率100%」と答えた企業の割合が、管理部門で59・8%、現業部門で41・5%と、06年の調査に比べそれぞれ12・7ポイント、7・3ポイント上がった。管理部門では「財務管理」「原価管理」「仕分け等一般経理事務」、現業部門では「CAD」「写真管理」「実行予算管理」で活用が進んでいる。調査は今年6~7月に2000社を対象に実施、371社が回答した。
  資本金20億円以上の大企業の多くは顧客情報を生かした経営戦略立案にコンピューターを活用しており、ICTの企業経営への活用によって新たな事業展開が期待できる基礎が完成しつつある。一方、これよりも規模の小さい企業では取り組みが弱く、業界全体としては、他産業ほどにはICTの導入と経営改善が結び付いているとはいえないとの結果が出たとしている。
  同研究所は、企業経営が厳しい中でも、建設業の特性を踏まえた効果的なICT導入・活用方策を見いだし、競争力や経営効率が高い産業に生まれ変わる必要があると指摘しているが、中小企業では受注の減少もあってそこまで手が回らないのも実情のようだ。

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