2008/12/01 全建会員、ダンピング対策に期待/地域貢献評価望む声も/ブロック会議で要望


【建設工業新聞 12月1日 記事掲載】

  10月に全国九つの地域ブロックで開かれた全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)と国土交通省など公共発注機関のブロック会議で、全建側から「低入札価格調査の基準価格引き上げ」「地域要件の活用や地域貢献評価による地元企業の受注機会の確保」「自治体の総合評価方式の導入促進」の要望が多かったことが、国交省のまとめで分かった。項目別分類では「ダンピング対策」と「予定価格」に対する要望が多く、激しい価格競争にあえぎ、地域要件や地域貢献といった価格以外の要素を加味した入札を望む地方中小建設業者の実情が垣間見える。
  ブロック会議には国交省から本省の幹部や担当官が出席して意見交換を行っており、各都道府県建設業協会から文書で提出された要望の内容を官房技術調査課が分類、集計した。最も多かったのは、「低入札価格調査の基準価格を予定価格の90%に引き上げてほしい」との要望で、東海地域を除く8ブロックで要望が出された。国交省は直轄工事について08年4月に調査基準価格の設定方法を見直しており、この結果、落札率(予定価格に対する落札額の割合)は見直し前の75~76%から5%程度高くなったとされる。だが、応札価格が調査基準価格直上付近に集中する状況は変わっておらず、即効性が期待できるダンピング対策として、多くの地域で調査基準価格のさらなる引き上げ要望が上がった。
  国交省の分類によると、項目別では「ダンピング対策」と「予定価格」に対する要望が多く、厳しい価格競争の下で、地域の建設業者が利益確保に腐心している様子がうかがえた。ダンピング対策では、「施工体制確認型総合評価方式の積極活用」や「最低制限価格・失格基準の工種ごとの設定」など7項目、予定価格では「市町村による歩切りの実態調査と指導」や「市場価格に合った労務単価と歩掛かり」など6項目の要望がそれぞれ上がった。国交省と全建は、ブロック会議の結果を踏まえた総括的な意見交換を今月19日に行う予定だ。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら


戻る