2008/12/03 09年度予算編成/自民、シーリング撤廃要求へ/公共事業増額支持相次ぐ


【建設工業新聞 12月3日 記事掲載】

  自民党は2日開いた総務会で、公共事業費の前年度比3%削減などを定めた09年度予算編成の基本方針について、政府に見直しを求めていくことを決めた。今後3年にわたって概算要求基準(シーリング)を撤廃するよう求めるもので、党4役が近く麻生太郎首相に申し入れる。総務会では、景気対策として公共事業を増やすよう求める意見が相次ぎ、景気回復に優先して取り組むためには、財政出動につながる基本方針の見直し要求もやむを得ないとの結論に達した。
  一方、1日に続いて2日も開かれた政調全体会議では、09年度予算編成の基本方針について2日間で計5時間近くにわたり議論を交わしたが、公共事業のマイナス3%シーリングの撤廃要求を打ち出すのか、財政再建を重視し今後もシーリングを維持するのか、党としての統一見解を出すには至らなかった。3日も引き続き議論する予定。
  政調全体会議では両日ともマイナス3%シーリング撤廃を支持する意見が多かったが、財政規律の堅持を支持する声も根強かった。尾身幸次元財務相は「(7月に基本方針を)閣議決定したころと今では社会情勢が違っているし、決定は福田内閣時のもの。内閣が変わったのだから、変更があってもおかしくない」と指摘した上で、「特に地方の窮状を打開するには公共事業を増やす必要がある。地方の景気が良くならなければ全体の景気回復はあり得ない」とマイナスシーリングの撤廃を主張。「今、マイナス3%シーリング撤廃の方向にかじを切らなかったら自民党は分裂する」と訴える議員もいた。

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