2008/12/05 全建/自民幹部に要望書提出/受注機会確保やダンピング対策など


【建設工業新聞 12月5日 記事掲載】

  全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は、公共事業予算の増額や中小建設業の受注機会確保などを求める要望をまとめ、淺沼会長ら役員が3日に自民党本部を訪ねて細田博之幹事長ら9人の党幹部に要望書を手渡した。要望書では、建設市場の縮小に伴う受注競争の激化や、建設関連資材の高騰、金融機関の貸し渋り・貸しはがしなどを背景に、中小・中堅建設会社の経営が未曾有の危機にあると説明。景気の冷え込みも加わり、公共事業費をこれ以上削減すれば「地方の基幹産業である建設業は衰退し、地域経済は再生不能な状況に陥る」と警告している。
  こうした危機的状況を回避するため、▽社会資本整備を成長力強化の重要課題に位置付け、必要な予算を確保する▽公共工事入札でのダンピング対策の徹底と、地方自治体への総合評価方式の普及を図る▽円滑な資金調達が図れるよう金融機関への指導を強化する―などを実現するよう要望。財政状態が厳しい自治体に配慮し、交付税措置などの財政負担軽減策を講じることで社会資本整備の着実な推進を図ることも求めている。
  全建の会員企業が1日1社を超すペースで倒産するなど、地方の中小・中堅建設会社は厳しい経営環境にさらされており、10月に全国9カ所で開いた公共発注機関とのブロック会議でも、公共事業予算の拡大や適正な利益の確保につながる入札契約制度の早期実現を求める声が各地方で上がっていた。内需拡大による景気浮揚を目的に公共事業費を増額する動きは政府・与党内でも強まっている。ただ、国民の間には公共事業の無駄に対する批判も根強く、予算の増額には、真に必要な公共事業を明確化することも課題になりそうだ。

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