2008/12/09 地方分権第2次勧告/整備局など出先6機関を統合/直轄公共事業は「地方工務局」


【建設工業新聞 12月9日 記事掲載】

  政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は8日、国の出先機関の統廃合案などを盛り込んだ第2次勧告を麻生太郎首相に提出した。国土交通省の各地方整備局と北海道開発局、農林水産省の各地方農政局など6機関を統合。地域ブロックごとに企画・立案機能を担う「地方振興局(仮称)」と、直轄公共事業の実施機能を担う「地方工務局(仮称)」を設ける案を示した。政府は今後、勧告内容を具体化するための工程表を年度内に策定する方針だ。
  勧告によると、統合対象の出先6機関は、国交省の各地方整備局、地方運輸局、北海道開発局、経済産業省の各経済産業局、農水省の各地方農政局、環境省の各地方環境事務所。「地方振興局」と「地方工務局」にまとめ、東北、関東、北陸、中部、近畿などの各地方ブロックごとに置く。地方振興局、地方工務局とも国土交通省、農林水産省などではなく内閣府の出先機関とする。新組織を企画・立案と直轄公共事業の実施に機能分割した理由について勧告は「組織規模が過大になるのを避けるため」としている。現在、各地方整備局、農政局、北海道開発局が行っている河川や国道の整備・管理、土地改良事業などは「地方工務局」が担当。現在、これら出先機関で公共工事の発注、管理などの実務を担っている人員は当面、二つの新組織に移すが、将来的には都道府県への移譲も含めて削減を検討するとした。
  このほか、新設2組織と、それぞれの管轄区域内の都道府県、政令市などの協議の場として「地方振興委員会(仮称)」を設け、直轄公共事業が適正に行われているかどうかを監視する仕組みもつくることを盛り込んだ。新組織は、委員会に対し、直轄公共事業の計画策定、次年度の事業計画案・予算案、過年度の決算案を付議、事業の進ちょく状況を報告することを想定している。
  勧告提出後に記者会見した丹羽委員長は、「北海道開発局は原則として将来的には廃止して北海道庁に統合する。どうしても残さなければならない部分については今後の検討課題とする」とした上で、国の出先機関改革で将来的には約3万5000人の人員を段階的に削減していきたいとの考えを示した。

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