2008/12/19 業界7団体首脳、国交相と懇談/公共投資拡大で意見一致/景気浮揚へ積極活用を


【建設工業新聞 12月19日 記事掲載】

  日本建設業団体連合会(日建連)の梅田貞夫会長ら建設主要7団体の首脳は18日朝、東京都内のホテルで金子一義国土交通相ら国交省の幹部と懇談し、積極的な公共投資によって内需拡大を図るべきだとする業界側の考えを伝えた。金融危機に端を発した世界的な景気の冷え込みで「100年に一度の経済危機」とも言われる中、建設業界では「公共投資をてこに内需拡大を図るべきだ」との声が高まっている。懇談では金子国交相も、内需拡大が11月の緊急首脳会合(金融サミット)の合意事項であることを指摘。公共投資を積極的に活用して内需拡大を図りたいとの考えを表明した。
  懇談会には国交省から金子国交相のほかに金子恭之副大臣、西銘恒三郎、岡田直樹、谷口和史の各大臣政務官、春田謙事務次官らが出席。業界側からは、梅田日建連会長のほかに淺沼健一全国建設業協会(全建)会長、葉山莞児日本土木工業協会(土工協)会長、野村哲也建築業協会(BCS)会長、岡本弘全国中小建設業協会(全中建)会長、佐藤誠日本建設業経営協会(日建経)常任理事、林田紀久男日本道路建設業協会(道建協)会長が顔をそろえた。
  冒頭、金子国交相は現在の経済情勢について「手に取り、目に見えるように悪くなっている」と指摘した上で、内需を拡大して経済を立て直すために「国土交通省の出番が来たと思っている」と述べ、公共事業の積極的な活用に全力を挙げる方針を示した。国交相の発言を受け、各団体の首脳は「思い切った財政出動による内需振興策を緊急的に実施するべきだ」(梅田日建連会長)との考えを相次ぎ表明した。
  業界側はさらに、建設会社の収益環境が悪化している現状を踏まえ、「地方自治体の入札への総合評価落札方式の普及・導入が不十分」(淺沼全建会長)だとして国交省に対し自治体への指導強化を要望。技術と経営に優れた建設会社が存続できる入札契約制度の必要性を訴えた。岡本全中建会長は、地域の中小建設業を取り巻く環境が厳しさを増していることを踏まえ、「会社更生や民事再生を適用し、再チャレンジするのも結構だが、入札などでこうした会社を区別する制度を設けるべきだ。建設業許可制度も業界の構造変化や過剰供給構造などに対応した制度改正が必要だ」などと述べ、国交省に対応を求めた。

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