2009/1/9 国交省/2次補正工事に実績重視の総合評価導入へ/早期着工へ手続き迅速化

【建設工業新聞 1月 9日 記事掲載】

国土交通省の関克己官房技術審議官は8日、日刊建設工業新聞など建設専門紙のインタビューに応じ、今国会で審議中の08年度第2次補正予算案に盛り込まれている工事の発注について、実績評価を重視した総合評価方式の入札を適用する方針を明らかにした。予算成立後できるだけ早く着工できるよう手続きを迅速化するのが狙い。関技術審議官は「1日でも早く発注できる体制を準備する必要がある」と述べ、総合評価方式による発注のスピードアップを図る考えを示した。このほか関技術審議官は、本年度末に「CALS/ECアクションプラン2008」を策定する方針を表明。その中で入札契約書類の完全電子化や完全電子納品化、3次元データの活用などを重点分野に掲げる考えも明らかにした。

関技術審議官は、建設業者の倒産が相次いでいる現状について、「地域の雇用に大きな影響を与える深刻な事態」との認識を示した上で、「(第2次補正予算が)成立後に地域で使われて効果が発揮されるよう、発注手続きの迅速化、効率化を徹底的に進めていく」と述べた。そのために、「補正対応として実績評価を重視する形で総合評価(方式案件)のスピードアップを図る」と述べ、予算成立時期をにらみながら、「実績重視型」といった新たな方式を設けるかどうかも含めて具体策を早急に詰める方針を示した。

公共事業全般の課題について関技術審議官は、「大変な時期だからこそ、新たな価値を生み出さなければならない」と指摘。そのための方策の一つとして、CALS/EC分野での取り組みを加速させる考えを示し、「生産性の向上によって時間を短縮すればコスト縮減にもつながる」と述べた。具体的な取り組みには、▽入札契約手続きの完全電子化▽現場での意思決定をスムーズにするためのASP(情報共有システム)の導入▽3次元データの活用▽情報化施工の推進▽完全電子納品化に対応した品質検査技術の開発▽自治体を含めた普及促進-を挙げ、「トータルの生産性を上げるには、1カ所でも抜けていれば意味がない」として、完全電子化や紙と電子データによる二重納品の解消などの重要性を強調した。

国交省は、これらの対策をCALS/ECアクションプラン2008に盛り込む考え。9日にCALS/EC推進本部の幹事会を開き、同プランの策定に向けた検討を行う。

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