2009/1/21 国交省/「建設業と地域の元気回復」へ支援強化/2次補正予算案に35億円計上

【建設工業新聞 1月 21日 記事掲載】

国土交通省は、今国会で審議中の08年度第2次補正予算案に盛り込んでいる「建設業と地域の元気回復事業」を活用し、建設業の複業化などを通じた地域活性化への支援を強化する。地域活性化につながるようなプロジェクト「地域資源活用型建設事業」の立ち上げや試行的実施などに補助金を交付して実現を後押しする。応募は、建設業団体や地方自治体、異業種団体などで構成する協議会から受け付ける。林業による森林の間伐と連携した林道の整備や、建設会社の敷地を利用した観光拠点の整備などさまざまなケースを想定している。

同省の谷脇暁総合政策局建設業課長が、20日に東京都内で開かれた全国建設産業団体連合会(全国建産連)の理事会・評議員会合同会議で、同事業の概要を明らかにした。第2次補正予算案には35億円の経費を計上している。実施に当たっては、建設関係団体や建設会社、自治体、関係異業種団体などで協議会(コンソーシアム)を立ち上げることが必要になる。取り組み内容に応じて、農協や農業生産法人、森林組合、林業事業者、社会福祉協議会、社会福祉法人、観光協会などとの連携が想定される。

協議会に対しては、事業の立ち上げや、専門家による指導や研修、販路開拓・広報、地域建設業の活性化対策といった面から支援を行う。こうした取り組みにより、地域建設業の複業化や活力の再生、雇用の維持・拡大などにつなげていく。事業内容はそれぞれの地域の特性に応じて自由に立案できるが、例えば、観光業との連携では、建設会社の未利用の資機材置き場を観光協会に提供し、観光拠点を整備するプロジェクトなどが想定事例として挙がっている。建設業にとっては、施設整備工事の受注や維持管理への参画、指定管理者制度による運営受託、連動する駐車場や歩道整備などの受注などの効果が期待でき、地域にとっても新たな観光資源の創出や魅力向上などにつながる。

谷脇課長は、同事業の狙いについて「建設事業の範囲を広げることにより、地域全体にプラスになるような取り組みを後押しする。地域にとっても建設会社にとっても良い循環をつくりたい」と話している。

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