2009/2/6 国交省/基幹技能者有資格者確保へ/目標人数の見直しを、専門工事業団体に要請

【建設工業新聞 2月 6日 記事掲載】

国土交通省は、不足がちな基幹技能者の人数を確保するため、各基幹技能者資格を運用する専門工事業団体に技能開発計画の見直しを要請した。技能開発計画には、各団体が運用する基幹技能者の資格者数の見通しや、認定講習の内容などが盛り込まれている。このほど明らかになったアンケート結果でも、資格者数不足が基幹技能者の活用を進める上での問題点として指摘されており、地域的な偏在も考慮に入れて、各団体が確保する基幹技能者の人数を見直してもらう。

基幹技能者資格は、専門工事業団体が職種ごとに運用している。96年7月に建設業人材確保・育成推進協議会が策定した「確保・育成・活用に関する基本指針」に技能開発計画の策定が明記され、その中で「必要な基幹技能者の見通し」を明らかにするよう求められた。最も先行した全国圧接業協同組合連合会(全圧連)の技能開発計画に基幹技能者の具体的人数が盛り込まれ、以後、各団体が策定する計画でも人数が示されてきた経緯がある。

08年12月現在、基幹技能者は21職種・28団体で約3万人存在する。しかし、登録制度に沿って登録手続き済みの基幹技能者はこのうち約5000人にすぎず、基幹技能者制度推進協議会(事務局・建設業振興基金)が行ったアンケート調査でも、資格者数の不足が、基幹技能者の活用を阻害する要因の一つと指摘されていた。アンケートでは「人員が不足しており、全現場への配置が難しい」(型枠)、「有資格者の絶対数が少ない」(電気工事)、「請負金に応じる傾向があるので、大現場に偏ってしまう」(鉄筋)といった意見が聞かれた。

こうした状況を踏まえ、国交省は各運用団体に技能開発計画の見直しを要請した。技能開発計画はこれまでに25職種について策定済みだが、策定時期がまちまちなため内容にもばらつきがある。地域的な偏在も考慮した上で目標人数を見直してもらうとともに、登録制度のスタートに伴い講習のあり方も変わったので、技能開発計画の講習に関する記述の見直しも求めている。新規団体を含め、31職種について技能開発計画の見直し・策定が行われることになる。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る