2009/2/9 新・土工協会長に中村満義鹿島社長内定/葉山路線踏襲し業界けん引

【建設工業新聞 2月 9日 記事掲載】

日本土木工業協会(土工協)など土木4団体は6日に開いた理事会で、葉山莞児会長(大成建設会長)が本年度限りで退任し、後任に中村満義副会長(鹿島社長)が就く人事を内定した。会長人事は4月23日に東京都内で開く09年度通常総会で正式決定する。理事会後の記者会見で、中村氏は「責任の重さを感じている。新しい船出になるが、葉山会長の路線を踏襲したい」などと述べた。一方、葉山氏は「(会長在任中の)4年間は建設業界にとって大変な時期だったが、重責を担えたことは幸せだった」と語った。

土工協の会長に事務畑出身の経営トップが就くのは、8代目の前田忠次会長(当時・鹿島建設副社長、在任期間1981年4~12月)以来28年ぶり。国や地方自治体の財政悪化を背景に公共投資の削減が続き、昨秋以降の景気悪化で民間投資にもブレーキがかかるなど業界環境が厳しさを増す中、中村氏は、4月1日に土木4団体が合併して再スタートを切る新生・土工協のかじ取り役を担うことになる。会見で中村氏は、荒波をどう乗り切るかは「会員各社の経営問題だ」との認識を示す一方、「業界団体として何ができるのか検討したい」と述べた。

05年4月に梅田貞夫前会長(鹿島会長)の後任として土工協などの会長に就いた葉山氏は、コンプライアンス(法令順守)の徹底、建設産業の魅力向上などの課題に取り組んできた。公共投資の減少とともに受注競争が一段と激化している現状について、会見で葉山氏は「現在の競争環境は健全とは言い切れない。合理的な利益を手にしなければ、(建設会社は)生き残れないと心配している」と指摘。その上で「(自身は)健全な競争環境の具体像は描き切れていない。若い人たちに前向きにチャレンジしてほしい」と新生・土工協の取り組みへの期待をにじませた。

土工協は4月1日付で日本電力建設業協会(電建協)、日本海洋開発建設協会(海洋協)、日本鉄道建設業協会(鉄建協)と合併する。新協会として初めての通常総会を4月23日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開く。副会長は会長人事の正式決定後、理事会の互選で決める。5月に国土交通省など公共発注機関との意見交換会を控えていることもあり、副会長と常設委員会の委員長の人事は3月の理事会で内定する予定。

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