2009/2/16 ゼネコン各社4~12月期決算/通期下方修正相次ぐ/大手含む7社が最終赤字に

【建設工業新聞 2月 16日 記事掲載】

主要ゼネコン(3月期決算上場企業)の08年4~12月(第3四半期)決算が、13日までにほぼ出そろった。07年度の連結完成工事高が1000億円以上だった企業25社のうち24社が同日までに業績を公表したが、世界同時不況の影響で軒並み厳しい決算となった。通期業績見通しの修正を発表した企業も多く、受注・売上高、損益とも下方修正が相次いだ。損益見通しの減額修正が、昨年11月の4~9月期決算公表時に続き2度目となった企業が多く、急激に悪化した経済情勢が各社の業績見込みを大きく狂わせている。大手の鹿島、大成建設を含む7社は最終赤字を見込む。

昨秋の「リーマンショック」に端を発した世界同時不況で、これまでに24中16社が期初に設定した受注高予想を下方修正した。最も大きな減額はマンション建設が主力の長谷工コーポレーションで当初予想4000億円から、10日に今期2度目の下方修正を行い、2700億円に引き下げた。先行指標となる受注高予想の引き下げは、長期的に収益の縮小につながりそうだ。

受注高予想を引き下げたことで、予想値に対する達成率は各社とも上昇。昨年12月末までで、年間予想の8割を超えた企業もある。景気後退で民間設備投資は冷え込みが続くとみられ、大型案件の入札が相次ぐこの1~3月期の国内公共工事の受注の成否が、計画を達成できるかどうかのカギを握ることになる。工事の完成引き渡しが第4四半期に偏る建設業界特有の傾向もあり、目標売上高に対する第3四半期末の達成率は総じて低い。

損益面では、海外土木を中心とした工事採算悪化が完成工事総利益の縮小を招き、粗利率が軒並み低下した。損益の悪化で早期退職者の募集などリストラに乗りだす企業もある。経常損失を見込んでいるのは今のところ1社だけだが、株価下落に伴う保有有価証券評価損の計上や、デベロッパーの破たんや早期退職募集に伴う特別加算金などの特別損失で最終利益の減額修正も相次ぎ、当初は全社が最終黒字を予想していたが、鹿島、大成、長谷工、三井住友建設、東急建設、熊谷組、大豊建設の7社が純損失に転落する。

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