2009/2/16 上場道路舗装7社/4~12月期決算/経常減益か損失拡大、道路財源問題が影響

【建設工業新聞 2月 16日 記事掲載】

道路舗装事業を手がける上場大手7社の08年4~12月期の決算が13日、出そろった。公共事業の縮小や原材料費の値上げなどに苦しむ各社の業績は、経常減益または損失幅の拡大となり、昨年4月に道路特定財源の暫定税率が失効した影響がいまだ尾を引いている状況だ。その中で製品販売事業は、価格転嫁の交渉が単価アップの形で実を結んでおり、ほとんどの会社が受注増額となっているのは好材料といえる。1月以降、原材料費の下落局面で単価をどれだけ持ちこたえられるかが、通期業績の明暗を分けることになりそうだ。

4~12月の各社の連結業績をみると、前田道路、日本道路、東亜道路工業の3社が増収、残り4社が減収となった。一方、利益面では、NIPPOコーポレーションと前田の『トップ2』が経常黒字を確保したものの、そろって大幅減益。残り5社も損失幅を大幅に拡大させた。

業界環境は、暫定税率の失効による公共工事の発注繰り延べ、原油価格の高騰に伴うストレートアスファルトや重油の大幅な価格上昇などで厳しい状況が続く。さらに景気悪化による民間設備投資の減少が重なり、事態は一段と悪化している。なかでも業績に大きな影響を与えているのが原油高騰で、度重なるストアス値上げを受け、昨年10月に各社は、合材価格への上乗せ方針を打ち出し、ユーザーとの交渉に奔走してきた。

こうした取り組みの成果で、「価格転嫁が徐々にユーザーに浸透していった」(各社経理担当者)ことから、合材の販売単価が上昇。「出荷数量は12月末段階で前年同期比10・2%減となっている」(日本アスファルト合材協会)ものの、単価アップがそれをカバーして、多くの会社が製品事業の受注増となった。しかし、原油下落に伴ってストアス価格が反転。1月には、1トン3万円の値下げが打ち出された。下落局面の中、各社は「上昇局面での価格転嫁の積み残し分がある。1~3月の合材価格は横ばいを堅持したい」(合材担当者)と強い態度で価格交渉にあたっている。工事が集中する年度末、どれだけ価格を持ちこたえられるかが、各社の業績を左右することになる。

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