2009/2/20 日建連、BCS両会長/民間工事激減に危機感/雇用問題の表面化危ぐ

【建設工業新聞 2月 20日 記事掲載】

日本建設業団体連合会(日建連)の梅田貞夫会長と建築業協会(BCS)の野村哲也会長は19日の理事会後に記者会見し、景気後退による民間建設需要の急激な落ち込みに危機感を表明した。梅田会長は「公共投資が増えたとしても民需の冷え込みは補えない。今年から来年にかけて建設業はさらに厳しい経営環境にさらされるだろう」と述べた。野村会長は会員企業へのヒアリング結果を踏まえ「1年、1年半先まで各社は厳しい見通しを立てている。建築工事は設備投資に負うところが大きく、投資のストップ、先送りも実際に出ている」と厳しい現状を明らかにした。

両会長は、新規受注が減少し、手持ち工事も完了することで、建設業界でも今後は雇用問題が表面化する可能性を指摘。梅田会長は、雇用を守る方策として浮上しているワークシェアリングについて「感情論としては理解できる」としながらも、建設現場の現状などを踏まえた場合「現実問題として対応するのは困難なのではないか」と実現性に疑問を呈した。

内需拡大と雇用確保に向け日建連とBCSは1月、日本土木工業協会(土工協、葉山莞児会長)とともに景気対策に関する要望書を政府・与党に提出しているが、梅田会長は「要望内容が政策として実現しているかと言えば、決してそうではない」と指摘。昨年10~12月期の実質経済成長率がマイナス12・7%(前期比年率)に落ち込むなど、危機感が深まっている現状も踏まえ、「先送りしている工事の実施を急ぐべきだ。国民生活を考えればやるべきことは多く、投資対象もある」と強調。公共投資を前倒し集中実施する必要性を重ねて訴えた。

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