2009/3/4 低入札価格調査-20都道府県・5政令市が基準引き上げ/国交省まとめ

【建設工業新聞 3月 4日 記事掲載】

全国の都道府県のうちの20団体と、5政令指定都市が、低入札価格調査の基準価格を、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルと同等またはそれ以上の水準に設定していることが、国土交通省の2月1日時点でのまとめで分かった。

厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、地方自治体の工事発注でも低入札調査基準価格の見直しが相次いでおり、多くは中央公契連モデルと同等レベルのおおむね予定価格の75%から80%への見直しだが、佐賀県のように調査基準価格を予定価格の90%程度まで引き上げる自治体も現れた。九州では、長崎県が2月から最低制限価格を設計金額の90%程度まで引き上げており、これに続く積極的ダンピング対策となる。

国交省は08年4月に低入札価格調査の調査基準価格の算出方法を見直し、おおむね予定価格の75%程度だった基準価格を80%程度へと引き上げた。併せて、6月には中央公契連の基準価格モデルも見直され、自治体にもモデルに沿った低入札価格調査制度の運用が求められていた。国交省が2月1日時点で低入札調査の見直し状況をまとめたところ、都道府県は20団体、政令市は5団体が公契連モデルと同等またはそれ以上の水準で調査基準価格を設定していた。このうち08年4月に国交省が調査基準価格の算出方法を改正して以降に見直しを行った都道府県は15団体、政令市は4団体だった。

価格競争が激化する中、調査基準価格の引き上げはダンピング対策に効果があるとして、建設業界には調査基準価格の引き上げを求める声が根強い。最近の厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、調査基準価格の見直しを図る自治体も多く、09年に入り、大分、鹿児島、佐賀、岩手の各県などが見直しを表明している。多くは中央公契連モデルと同等レベルの80%程度への見直しだが、佐賀県は調査基準価格を90%程度まで引き上げるという。4月以降の発注工事のほか、08年度に前倒し発注する総合経済対策関連工事にも適用する考えだ。

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