2009/3/6 脇雅史参院議員/中長期的視点で公共投資を/フェニックスプランの策定提起

【建設工業新聞 3月 6日 記事掲載】

自民党の脇雅史参院議員は5日、日刊建設工業新聞社のインタビューに応じ、経済対策として公共投資を有効に実施するには、中長期的な視点が必要との考えを明らかにした。09年度当初予算をできる限り前倒し執行した場合、年度後半には事業が息切れするため、「09年度補正予算が必要になる」と強調。09年度補正予算分と10、11年度分を含めた公共投資の3年計画(フェニックスプラン)を策定し、真に必要な事業を順序づけて明らかにすることで、適正な執行体制を確保するとともに、国民の理解を得るべきだとの考えを示した。インタビューでの脇氏の発言の要旨は次の通り。

「政府の経済対策には株価対策や雇用の助成などさまざまな分野があるが、公共事業については考え方を整理しておく必要がある。毎年、スポット的に補正予算で事業を付けるのではなく、中長期的視点がなければならない。5年程度先を見据えながら計画を立て、投資規模に合わせ、本当に必要な事業を優先順位を付けて明らかにするべきだ」

「3月中には09年度当初予算が成立する見通しだが、今やるべきは08年度1次、2次補正予算と09年度当初予算をできるだけ前倒しで実行すること。上期は85~90%程度の執行率を目指すべきだろう。それだけ前倒しすれば、後半には09年度の補正予算が必要になるので、併せて10、11年度の公共投資の実行計画をきちんと作っておく。これが『フェニックスプラン』だ。10年度予算の概算要求に併せ、09年度下期の補正予算と11年度までの3年間の投資計画を、7~8月には示さなければならない」

「5年先と言ったのは、5年先を見据えながら3年計画を立てるという意味だ。麻生太郎首相の『全治3年』もあって3年計画を考えるが、その先の判断も出てくる。公共投資は3年間だけでは済まない」「計画の中身の積み上げは、政府を挙げて行うべきだ。概算要求の精度で、どこで、どの程度の費用で、どのような事業を行うかを政府として明確に示せば、事業の執行体制が整ってくる。民間も含め先の計画を作ることができ、投資的経費を国民のために有効に使うことが可能だ」

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