2009/3/11 全建/09年度事業計画/社会資本の必要性PR、経営革新へ他産業と連携も

【建設工業新聞 3月 11日 記事掲載】

全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は、10日に東京都内で開いた評議員会で09年度の事業計画案を了承した。中小・中堅建設会社の経営環境が極めて厳しい状況にあることを踏まえ、社会資本整備の必要性を訴え、関係予算の増額を求める活動に一段と力を注ぐとしている。技術と経営に優れた企業が生き残れる環境を整えるため、入札契約制度の改善やダンピング防止対策の充実も公共発注機関に要請。苦境を乗り切るためには、建設会社の経営革新も不可欠なことから、他産業との連携強化などの対応策も検討する。

来年度の協会活動は、▽安全・安心確保のための社会資本整備の計画的推進▽コンプライアンス(法令順守)の徹底と企業の社会的責任(CSR)への対応▽社会貢献活動の推進とイメージアップ活動▽建設業界の健全な発展▽公益法人改革への対応▽雇用対策と労働災害防止対策の推進―の6項目に重点を置くとした。

社会資本整備の計画的な推進では、公共事業予算の削減が限界に来ているとの主張を前面に押し出し、景気浮揚や雇用機会確保、地域経済の活性化につながる分野に重点投資するよう関係機関に要望する。公共事業の発注を平準化するため、ゼロ国債などの積極的な活用も訴える。建設業の健全な発展に向けた取り組みでは、ブロック会議などを通じて過度な競争を強いる入札制度の改善、適正価格での契約などを公共発注機関に求める。

建設業の再生・経営革新では、本業での持続的な経営を基本方針としながら、他産業との連携事業の可能性などを探り、必要に応じ提言などを行う。雇用情勢の悪化や新規入職者の減少などを踏まえ、建設労働者の賃金水準の向上、労働力需給調整システムの構築、技能労働者の確保・育成・定着といった課題について検討する。重大災害の頻発や過重労働による健康被害など問題に対処するため、労働災害防止対策にも力を注ぐ。公益法人改革への対応では、新法人への移行申請に向け作業を本格化させる。

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