2009/3/25 全基連/労働者融通事業を09年度スタートへ/全国組織、首都圏で初

【建設工業新聞 3月 25日 記事掲載】

全国基礎工業協同組合連合会(全基連、梅田巖会長)は、建設労働者雇用改善法に基づく「建設業務労働者就業機会確保事業」を来年度にスタートさせる。労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会が24日に開いた会合で、全基連が提出していた同事業の実施計画に合意した。これを受け厚労省は近く、同計画を認定。全基連は計画に沿って首都圏で建設労働者の融通事業を行う。全国組織が同事業に取り組むのはこれが初めてで、首都圏での事業化も初となる。厚労省は「モデル性が非常に高い。しっかりバックアップをしていきたい」(職業安定局建設・港湾対策室)としている。

全基連の計画によると、対象地域は、東京、茨城、千葉、埼玉、神奈川の1都4県。建設労働者の送り出しを15社、受け入れを20社が行う計画。送り出しを計画している15社のうち、10社が許可申請を行っており、全基連の実施計画の認定と併せて、許可が下りる見通しだ。

建設業務労働者就業機会確保事業は、事業主団体に加盟する企業の間で、建設労働者の送り出しと受け入れを行うというもの。建設業務の労働者派遣事業は労働者派遣法で禁止されているが、建設労働者雇用改善法に基づく実施計画の認定を受けることで、事業主団体の会員企業の間では、労働者を融通し合うことによる需給調整が可能になる。

同事業は既に、みやぎ建設総合センター(仙台市)、大阪府建団連(大阪市)と沖縄県建設業協会(沖縄県浦添市)の3団体が取り組んでおり、全基連で4例目となる。ただ、これまでの3団体の事業では、みやぎ建設総合センターで労働者融通の実績があるだけで、浸透には至っていないのが実情。全国組織による取り組みが首都圏で始まることで、今後の広がりにつながる可能性もある。同日の建設労働専門委員会では、沖縄県建設業協会の実施計画の変更も了承された。送り出し企業を、現状(22社)から5社追加する。追加で送り出しを計画している5社のうち、2社が許可申請を提出している。

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