2009/4/1 国交省/地域建設業向け緊急対策/文科省と連携、学校耐震を迅速化

【建設工業新聞 4月 1日 記事掲載】

国土交通省は3月31日、地域建設業の振興に向けた緊急対策をまとめた。ダンピング受注防止策の充実や適正な予定価格設定、工事検査・工事代金支払いの迅速化などが柱で、同省直轄工事で低入札価格調査の基準価格引き上げなどを行うとともに、今週中に地方自治体に対して総務省と連名で対応を要請する。さらに、学校の耐震改修の迅速化を促すため、CM(コンストラクション・マネジメント)方式の活用や設計・施工一括発注などの採用なども要請する。週内にも、文部科学省と連名で、地方自治体に通知を出す。

国交省は、地域建設業者を取り巻く厳しい環境を踏まえ、必要な対策を一体的に進めていく方針。市町村発注工事の入札に総合評価方式の導入を進めていくため、都道府県による支援を求める。適切な地域要件の設定や、歩切りの廃止、予定価格の事前公表取りやめなどもあらためて要請する。工事施工の適正化では、監理技術者などの専任期間を必要以上に長く設定しているケースがあるため、監理技術者制度運用マニュアルの趣旨を再度徹底し、運用の適正化につなげる。

学校の耐震化については、迅速な工事実施を促すとともに、ダンピング対策の徹底も図る。学校の夏季休業期間に工事が集中する傾向があるため、準備期間の確保や適正な工期の確保、民間の技術提案の積極的な活用などを求める。さらに、市場の実勢を踏まえた予定価格の設定や、設計変更の適切な実施も要請する。

元・下請関係の適正化も盛り込んだ。下請取引等実態調査の項目に賃金支払い状況確認を追加するとともに、直轄工事など500件程度を対象に立ち入り検査を実施し、積算時の労務単価と技能労働者への支払賃金にかい離がないかを調べる。支払賃金が一定以上低い場合は指導を行い、最低賃金を下回る場合は厚生労働省に通報する。このほか、「建設業元請下請等適正化支援窓口」(仮称)を設置し、紛争解決などに取り組む。

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