2009/4/10 追加経済対策、4月10日正式決定/事業規模56・8兆円/上期の契約目標8割

【建設工業新聞 4月 10日 記事掲載】

政府は10日、15兆4000億円の財政支出を盛り込んだ追加経済対策(経済危機対策)を正式決定する。事業規模は56兆8000億円に上る見込みで、具体的な対策項目には、3大都市圏の環状道路整備や、羽田空港のC滑走路延伸、中央新幹線の調査促進などインフラ整備も多数掲げられた。公共投資の地方自治体負担額などに応じて配分する「地域活性化・公共投資臨時交付金(仮称)」と、地域の実情に応じた事業実施に向けた「地域活性化・経済危機対策臨時交付金(仮称)」の創設も挙げた。09年度当初予算の公共事業も上半期の契約率8割を目指して前倒し執行する。政府は直ちに09年度補正予算案の編成作業に入る。

9日の自民党政調全体会議で了承された経済危機対策案によると、本年度後半ころまでを想定した「底入れ回避を最優先する局面(緊急対策)」と、09年度後半~10年度後半ころの「底入れ・反転を確実にする局面(成長戦略)」、10年度後半ころ以降の「新たな成長軌道局面(安心と活力の実現)」の3段階で対策を講じる。

緊急対策は国費で4・9兆円程度(事業費で44・4兆円程度)を想定。09年度当初予算事業を前倒し執行するとともに、金融対策などを進める。中小企業の資金繰り支援や、住宅・土地金融の円滑化などを盛り込んだ。成長戦略は同6・2兆円程度(同8・8兆円程度)とした。経済の底力発揮として道路・港湾・空港などのインフラ整備のほか、太陽光発電や交通インフラの革新による低炭素革命の推進などを進める。国土ミッシングリンクの結合として、3大都市圏の環状道路整備や高規格道路の整備も推進。羽田空港の容量拡大・機能強化に向けて、C滑走路の延伸や総合的容量拡大調査も掲げた。中央新幹線の調査促進や超電導リニアの促進なども盛り込んだ。

新たな成長軌道局面では、地域活性化や安全・安心確保などにつなげるための施策を提示。予算規模は同4・3兆円程度(同5・0兆円程度)を見込んでいる。これらの対策の財源には、財投特会の積立金や建設国債、経済緊急対応予備費を充てる。不足する場合は赤字国債を発行するとしている。

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