2009/4/23 国交省/基幹技能者の配置に加点、総合評価方式で試行/自治体工事へ活用促す

【建設工業新聞 4月 23日 記事掲載】

国土交通省は、地方自治体の発注工事で基幹技能者の積極活用を促すため、工事への基幹技能者の配置予定に加点を行う総合評価方式の入札を試行する。運用の詳細は発注者の判断に任せるが、元請会社が申請する基幹技能者の配置予定人数に応じて加点するなどし、基幹技能者活用のインセンティブとしたい考え。都道府県の発注工事を中心に、09年度は全国4カ所程度でモデル工事を実施する。自治体工事で基幹技能者の活用を後押しすることで、現場の生産性向上や施工品質・安全の確保につなげる。

基幹技能者は専門工事業団体が職種ごとに資格制度を運用し、約3万人存在する。08年度から新たに登録制度が導入され、基幹技能者の保有が建設業者の経営事項審査の加点対象となったが、08年12月時点で登録手続き済みの基幹技能者は約5000人にとどまっている。国交省は活用方策を強化する必要があると判断。自治体の工事で基幹技能者を活用した総合評価制度に着手することにした。

基幹技能者は、下請の専門工事会社に所属する。入札手続き段階で、元請会社に基幹技能者の配置予定を提出してもらうが、モデル工事の段階でもあり、国交省としては発注者・元請双方が受け入れやすいよう、どの下請会社の誰を配置するかまでは求めない方針だ。配置予定の基幹技能者数だけを申請してもらい入札を実施。落札後は監督の際にチェックし、申請通りに基幹技能者が配置されていなければ、発注者の判断でペナルティーを科してもらう。基幹技能者の登録手続きの実施状況を踏まえ、モデル工事では登録は要件とせず、未登録の基幹技能者も加点対象とする考えだ。

モデル工事の実施業務は、自治体の入札契約適正化に向けた支援の一環として、総合評価方式の導入・拡充や、3者協議、ワンデーレスポンスの導入支援と併せ、企画競争で外部に委託する方針。09年度末にモデル工事の実施状況を検証し、基幹技能者の活用促進に役立てる。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る