2009/6/10 4月の建設受注、14%増/2カ月連続増、補正予算の効果が顕著に/国交省

【建設工業新聞 6月 10日 記事掲載】

公共工事の受注が久しぶりに上向いてきた。国土交通省が9日に発表した09年4月の建設工事受注動態統計で、元請受注高のうち公共機関からの受注高が前年同月比13・5%増の4277億円となり、2カ月連続で前年同月を上回った。景気の悪化で民間工事の落ち込みが激しい建設市場を、公共工事が下支えしている形で、政府が補正予算を編成して進めている経済対策が徐々に効果を現し始めているようだ。
受注動態統計によると、4月の公共機関からの受注工事額のうち、1件500万円以上の工事の受注総額は3927億円(21・8%増)。発注者別では、国の機関が2270億円(50・0%増)、地方の機関が1655億円(3・2%減)だった。

国の機関の内訳を見ると、国の直轄が1315億円(68・3%増)、独立行政法人225億円(34・2%増)、政府関連企業729億円(29・3%増)で、軒並み受注が増加した。国直轄工事の受注額がほぼ7割増しの状況で、特に「道路工事」(578億円)と「治山・治水」(374億円)の受注増が目立つ。政府関連企業や地方の発注分でも「道路工事」の受注額が最も多い。国交省は「国と地方の道路工事などで小規模案件を中心に発注が増えた」と分析。政府が08年度の補正予算で公共事業費を積み増しした効果が現れたとみている。

一方、民間建築・建築設備工事(1件5億円以上)の受注総額は2736億円(34・8%減)と落ち込みが激しく、6カ月のマイナス。うち不動産業からの受注は712億円(48・8%減)と9カ月連続の減少となり、製造業と並んで低調に推移している。不動産業からの受注の9カ月連続減は00年度の調査開始以来の最長記録。同省は民間の設備投資の低落傾向は今後も続くとみている。政府は補正予算による公共工事の積み増しに加え、09年度予算の大幅前倒し執行も決めており、当面は公共投資の下支え効果に業界の期待が高まりそうだ。

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