2009/6/18 全国建産連・田村憲司前会長が退任会見/建設業の新規許可、一定期間凍結を

【建設工業新聞 6月 18日 記事掲載】

全国建設産業団体連合会(全国建産連)の会長を退任し、相談役に就いた田村憲司前会長は、16日に東京都内で開かれた総会後に記者会見し、業界の現状について「業者数が多いことが過当競争の大きな要因」と指摘。業者数を市場規模に合わせるために「緊急避難として、3年なり5年なり、建設業の新規登録(許可)を凍結すべきだ」と述べた。新規許可の凍結が「法的に認められるかまでは研究していない」としながらも、既に地元の三重県の県土整備部に相談していることも明らかにした。

田村氏は02年から7年間にわたり会長を務めてきたが、77歳になったのを機に任期途中ながら辞任した。会見で田村氏は、会長として「一貫して建設業界が食べていけるようにしてくれと主張してきた」と在任期間を振り返る一方、「業者数が多すぎるのが一番の問題だ」とも指摘。日本の社会資本整備のかなりの部分は終わっており、今後、公共事業は相当な勢いで縮小せざるを得ないとの認識を示した上で、「五十数万社を食べさせていけるだけの仕事量の確保は無理。思い切った整理が必要だ」と強調した。「業者数は今の半分でいい」との持論も披露した。

さらに、現状のままでは無理をしても工事量を確保せざるを得なくなるため、少ない事業量で会社経営を継続できるよう、三重県建設業協会内では「限りなく会社を小さくし、身軽になれと会員に呼び掛けている」と説明。自身の会社も将来を見据え一時期の3分の1に規模を縮小したことを明らかにした。

このほか田村氏は、公共事業の仕事は「量」より「質」が大事で、「予算を増やしてもらうよりも、見合った単価で受注させてほしいと要望してきた」と述べ、「総合評価方式の導入により落札下限価格が上がってきて、一時に比べれば業界も楽になってきた」と指摘。「予定価格の90%(の最低制限価格や低入札価格調査基準)を定着させてもらいたい」と求めた。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る