2009/6/26 東保証、西保証/下請けの資金繰り支援事業に参入/子会社がファクタリング

【建設工業新聞 6月 26日 記事掲載】

東日本建設業保証(東保証)と西日本建設業保証(西保証)は25日、国土交通省が7月1日に始めるファクタリング(売掛債権買い取り)を利用した下請・資材会社の資金繰り支援事業に参入することを明らかにした。東保証は子会社の建設経営サービス(KKS、大八木勝彦社長)、西保証も子会社の建設総合サービス(KSS、安部紘二社長)がファクタリング会社として下請・資材会社の売掛債権を買い取ることを想定。準備が整い次第、金利助成や債務保証を行う建設業振興基金と協定を結ぶ。北海道建設業信用保証(北保証)も、子会社の北保証サービスを通じて参入する方向で検討している。

新事業は、下請・資材会社が元請会社に対して持つ売掛債権(手形を含む工事代金や資材代金)を、決済期日前にファクタリング会社に譲渡することで早期に現金化できるようにする仕組みで、振興基金を通じ、債権譲渡の際の金利助成(2分の1)や、債権買い取り資金の調達に対する債務保証(原則95%、09年末までは99%)などの支援策を講じる。09年度補正予算に96億円の関連費用が計上されている。新事業を利用すれば、下請・資材会社は安い金利で売掛債権を早期に現金化できるほか、ファクタリング会社も債務保証によって安心して債権を買い取れるメリットがある。

東保証の小野邦久社長は25日の会見で「下請会社に光を当てた制度であり、100億円近い予算を投じて行うことは画期的」と述べた上で参入準備を進めていることを明らかにした。西保証の森悠社長も同日の会見で「下請・資材会社の資金繰り円滑化をお手伝いできる事業であり、KSSにとっても金融サービス会社として飛躍するチャンス」と意欲を示した。

国交省は、ファクタリング会社として金融機関や前払保証事業会社の子会社を想定。東、西の両保証会社が名乗りを上げたことで、他社でも参入に向けた検討が進みそうだ。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る