2009/7/15 国交省/技術評価点の算定式変更で影響分析/C、Dランクは下位に集中

【建設工業新聞 7月15日 記事掲載】

国土交通省は、09・10年度分として実施した建設工事の競争参加資格審査で、技術評価点の算定式を変更したことによる点数分布への影響を簡易に分析した結果をまとめた。施工した工事の規模の大小より成績の良否がより評価点に反映するよう算定式を見直した結果、A、Bランクでは各業者の評価点が適度に分散したのに対し、C、Dランク業者では評価点が低い部分に多くの業者が集中。分散化には必ずしも寄与していない可能性があることが分かった。国交省は、審査結果をさらに分析し、次回(11・12年度分)の競争参加資格審査で必要となる対応を検討する。C、Dランク業者の分布の適正化などが課題になりそうだ。

今回の競争参加資格審査では、完成工事高と工事成績の評価バランスの適正化や、不良不適格業者の評価点を低くすることなどを目的に、前回(07・08年度分)の競争参加資格審査とは異なる技術評価点の算定式が用いられた。従来は、工事規模の大きさが高評価につながる傾向があったのに対し、今回は工事規模を対数値(Log)で反映させる方法に改めて工事成績評定がより重視されるようにした。技術的難易度の係数や部局係数も見直し、都道府県発注工事も評価対象として追加した。

国交省は、見直し後の技術評価点の分布状況について簡易的な分析を行い、10日に開いた「国土交通省直轄事業における公共事業の品質確保の促進に関する懇談会」(座長・小澤一雅東大大学院教授、品確懇談会)に報告した。それによると、ある地方整備局の有資格業者をサンプルに分散度合いを調べたところ、Aランク業者の技術評価点は、前回は1000点程度~1850点程度の範囲に分布していたのが、今回は650点程度~2150点程度と分布範囲が大きく広がった。

Bランク業者でも、前回は500点程度~1100点程度だった分布範囲が今回は250点程度~1550点程度に広がっている。これに対し、Cランク業者は分布範囲は広がったものの、0点~150点程度に多くが集中。Dランク業者も、0点~50点程度に大多数が集まっている。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る