2009/7/24 経済対策効果は一時的/10年度建設投資、3・6%減44兆円/建設経済研

【建設工業新聞 7月24日 記事掲載】

建設経済研究所が23日まとめた建設投資見通し(09年7月)によると、経済対策による政府建設投資の下げ止まり効果は、一時的に過ぎないことが分かった。09年度の政府建設投資は前年度比11・3%増になるものの、10年度当初予算で公共事業費の3%減が継続された影響で、経済危機対応等特別措置の3500億円の一定額を公共事業に確保したとしても、10年度の政府建設投資は13・6%減まで落ち込むとしている。民間建設投資の低迷も続くことから、補正予算が編成されなければ、10年度の建設投資は78年度水準の45兆円を下回る見通しだ。

同研究所の独自の建設経済モデルを使い、09年1~3月期の国民所得統計速報を踏まえて建設投資を予測した。それによると、09年度の建設投資は、過去最大規模の補正予算の影響で政府投資が11・3%増の19兆3600億円となるものの、非住宅建築を中心とする民間建設投資の落ち込みから、全体では2・9%減の45兆8400億円に落ち着く見通しだ。09年度の住宅着工戸数は、景気悪化を受けて97・1万戸まで落ち込み、その結果、民間住宅投資は6・9%減となる。さらに、民間非住宅建設投資も20・4%減、民間土木投資も7・1%減と冷え込み、建設投資全体の足を引っ張る形となる。

10年度の政府建設投資は、経済危機対応等特別措置の3500億円の一定額が公共事業に回ると仮定しても、13・6%減の16兆7300億円まで落ち込む見通し。10年度予算の概算要求基準で公共事業費の3%減が継続された影響で、経済対策による公共投資の底上げ効果も一時的なものにとどまる格好になる。10年度の民間住宅投資は6・6%増と、08年度の水準まで回復すると予想されるものの、民間非住宅建設投資の回復にはまだ時間がかかるとみている。民間非住宅建設投資は0・5%減、民間土木投資も0・5%増と低水準で推移することから、結果的に10年度の建設投資は3・6%減の44兆1700億円となる見通しだ。

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