2009/9/4 下請資金繰り支援事業の利用急増/8月末実績、1カ月で3倍強に/国交省

【建設工業新聞 9月4日 記事掲載】

国土交通省が7月に運用を開始した「下請資金繰り支援事業」の利用実績が、8月末で総額8億15百万円となった。下請建設業者などが持つ売掛債権の買い取りに金利助成などを行い、早期の現金化を支援する事業で、利用企業は51社、買取債権は164件だった。7月末の実績は総額2億38百万円で、利用企業は15社、買取債権は53件だったことから、1カ月間で総額、利用企業、買取債権とも3倍強に増えた。制度が順調に普及し、厳しい経営環境にある中小・中堅の下請・資材会社の資金繰りの円滑化に役立っているといえそうだ。

利用企業の所在地は、北海道、東京都、大阪府、神奈川、岐阜、愛知、和歌山、熊本、鹿児島の各県に、兵庫、岡山、新潟の3県が加わり、地域的にも広がりを見せている。債権を買い取るファクタリング会社は現在、北海道、東日本、西日本の前払金保証事業会社の子会社3社だが、国交省は金融機関系のファクタリング会社にも参画を働きかけている。

同事業は、09年度補正予算で創設された96億円の「建設業金融円滑化基金」を基に運営されている。民主党は09年度補正予算組み替えの一環として、補正予算で各省庁が設立した基金を凍結する方針を打ち出しているが、46基金あるうち、どの基金を凍結するかは明言していない。国交省としては、基金の実績や中小・中堅の下請・資材会社の資金繰りへの効果を新大臣に説明し、その指示に従う方針だ。

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