2009/9/4 土工協・中村満義会長/民主新政権、公共事業大いに議論を/経済対策の継続要望

【建設工業新聞 9月4日 記事掲載】

日本土木工業協会(土工協)の中村満義会長ら首脳は3日記者会見し、民主党への政権交代に対する感想や、新政権への注文と期待について語った。民主党が衆院選のマニフェスト(政権公約)に大型公共事業の中止などを掲げたことについて、中村会長は「(公共事業のあり方を考える)千載一遇のチャンスだ」と指摘。その上で「新政権の出発点であり、無駄な公共事業とは何か、有識者を交え大いに議論してほしい」と述べた。新政権に対しては「どういう形であれ、産業界の話を聞く機会はあるはずだ。われわれとしては望むところであり、必要に応じ説明に出向き、意見を交換させていただきたい」と対話への期待を示した。

中村会長は「個別の事業に対し土工協が意見を言うことはない。ただ公共事業の無駄とは何か一つひとつ検証し、為政者として決断してほしい」と述べた上で、民主党が中止を公約している八ツ場ダム建設事業に関する議論が公共事業のあり方を考える出発点になるとの見方を示し、「無駄とは何かという議論が巻き起こるチャンスだ」と指摘した。

大田弘副会長は、民主党が公共事業に対し厳しい姿勢を示していることについて、「公共事業イコール無駄という短絡的な議論が見受けられ、先行きに不安がある。ダムを造ることが政治の目的ではないはず。国民の安全安心を守るという観点から、国の根幹にかかわる課題は与野党で協議をしていただきたい」と述べた。

中村会長は、経済対策の一環として実施された公共事業予算の増額や前倒し発注が景気浮揚に一定の効果を上げている現状を踏まえ、「(政権交代によって)経済対策の流れが遅れ、景気に影響するのではないかと危ぐしている」と懸念を表明した。竹中康一副会長も「建設産業は底辺で雇用を支えてきた。景気の停滞が続いた時に建設業が持ちこたえられるのか、雇用のセーフティーネットを含め対策を考えてほしい」、村重芳雄副会長も「自公政権が講じた景気・雇用対策が道半ばで新政権でバトンタッチされる。経済活性化の流れができつつあり、(対策が)継続されることを期待したい」とそれぞれ景気対策継続への期待を示した。

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