2009/9/9 地域建設業の倒産沈静化/8月、近畿除き減少/東京商工リサーチ

【建設工業新聞 9月9日 記事掲載】

地域建設業者の倒産が沈静化してきた。東京商工リサーチがまとめた8月の建設業倒産(負債1000万円以上)の件数は、全国9地区のうち近畿を除く8地区で前年同月を下回った。本年度に入り、倒産件数が前年を下回る地区が多くなっており、中小企業向け資金繰り対策としての緊急保証制度や公共工事の前倒し発注の効果が表れているようだ。ただ、マンション建設や企業の設備投資など民需の回復は鈍く、官需頼みの状況は変わっていない。このため同社は、民主党政権の誕生で09年度補正予算の執行凍結など政策の急転換があれば、倒産動向にも影響が出るとみている。

8月の建設業倒産は前年同月比17・1%減の334件で、8月としては5年ぶりに前年を下回った。負債10億円以上の大型倒産が55・5%減の8件にとどまったことから、負債総額は74・0%減の477億7700万円と今年最小になった。

地区別では、近畿が8・2%増となった以外、九州61・2%減、四国50・0%減、北海道38・0%減、東北29・1%減、北陸25・0%減、中部17・6%減、中国7・6%減、関東5・2%減と軒並み減少。都道府県別でも減少が32都道府県(7月は23道府県)を占めた。業種別では総合工事業178件(前年同月比30・4%減)、職別工事業95件(13・0%増)、設備工事業61件(3・1%減)。総合工事業の減少が目立った。

一方、帝国データバンクがまとめた8月の建設業の倒産は284件(11・3%減)とやはり2けたの減少。同社は「公共工事の前倒し発注の効果で、地方圏を中心に2カ月連続の前年割れとなった」としている。

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