2009/10/7 前原誠司国交相/ダム事業見直し、予算編成段階で結果公表/路木ダムは当面静観

【建設工業新聞 10月7日 記事掲載】

前原誠司国土交通相は、6日の閣議後の記者会見で、現在進めているダム事業の見直し作業の結果について、「予算編成の最終段階である程度明らかにする」と述べ、10年度予算の編成段階で一定の成果を出す方針を示した。見直し作業の対象は全国143カ所のダムで、内訳は、国交省直轄と水資源機構によるダムが56カ所、地方自治体が事業主体の補助ダムが87カ所となっている。補助ダムでは、熊本県が現在、県営路木ダムについて本体工事の入札手続きを進めており、8日に開札予定となっているが、前原国交相は「(見直し作業の最中に)やめてくれと申し上げるつもりはない」と述べ、当面は手続きの停止を求めないことを明らかにした。

前原国交相は、ダム事業に関して、既に八ツ場ダム(群馬県)と川辺川ダム(熊本県)の建設中止を明言しており、残りの141カ所は精査中としている。このうち、都道府県などによる補助ダムに関しては、「県がやることに異議を申し上げることはない。ただし、見直しで判断した時の進め方で、相談することがあるかもしれない」との見解を示し、中止などの方針を決めた際には、関係知事らと協議する考えを示した。

路木ダムは、熊本県が天草市に計画中の多目的ダム。総事業費は約90億円で、14年3月末の完成を予定している。路木ダムをめぐっては、蒲島郁夫熊本県知事が9月議会で事業継続の方針をあらためて表明し、今月1日に入札手続きを開始していた。

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