2009/10/7 馬淵澄夫国交副大臣が就任会見/公共事業、今後は維持管理に重点

【建設工業新聞 10月7日 記事掲載】

国交省の馬淵澄夫副大臣は6日に就任会見し、今後の公共工事のあり方について「これまでのような道路や施設がないところに造る、開発するという考え方はなくなるだろう」と述べ、新規事業から既存構造物の維持管理に重点が移るとの見通しを示した。馬淵副大臣は「公共事業が経済に一定の効果があるという認識は持っている」としながらも、「これからは少子高齢化、財政赤字の縮小という難題が迫っている。マイナス成長時代に必要になる公共事業は自ずと変わってくる」と指摘。その上で既存構造物の更新需要の増加を挙げ、「ばく大なコストや、安全と生活の質の維持から既存構造物の維持管理をどうするかが重要な論点になる」との見解を示した。

今後の道路行政についても「強い発言力のある一部の政治家によって意図的、裁量的に事業が配分がされてきたこれまでのような状況は変える」と強調。高速道路の整備で前原誠司国交相が表明した国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)の廃止に関しては、新たな事業評価を行う機関を発足させ、「公明正大なプロセスで事業の優先順位を付ける仕組みをつくる」と述べた。ただ、国幹会議廃止時期は未定とした。

高速道路の無料化は、段階的に実施する考えを示し、現在の「休日1000円」の効果なども検証するとともに、「交通量増加による二酸化炭素(CO2)排出量や他の交通機関への影響も調査し、スケジュールや制度設計を考える」と述べた。公共事業見直しの建設業への影響については「ある一部の業界の防御策を講じるより、マクロ経済でいかに経済をコントロールするかが大事だ」と述べ、国全体の経済対策の方向が打ち出された段階で国交省所管業界の保護・育成策を検討べきだとの考えを表明した。

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