2009/10/29 日建連会員上期受注、3割減/落ち込み過去最大/年間10兆円割れも

【建設工業新聞 10月29日 記事掲載】

ゼネコン各社が危機的な受注環境に直面している。日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)が28日発表した会員企業49社の09年度上半期(4~9月)の受注総額は前年同期比28・0%減の4兆3269億円と、1975年度の調査開始以来、上半期としては最大の減少幅を記録した。日建連会員企業の受注は70%程度を民間工事が占めている。昨秋以降の景気後退によって、民間企業の設備投資が急速に冷え込み、マンションなどの不動産開発も低迷が続いていることが受注不振の背景。事態が好転する材料は当面見当たらず、年間受注額が約30年ぶりに10兆円を割り込む恐れも出ている。

09年度上半期の国内受注は前年同期比26・3%減の4兆1066億円。うち民間からの受注額は、昨秋から続く景気低迷の影響を受け、3兆1320億円と31・2%減少した。民間からの受注額を発注者の業種別に分けると、製造業が47・5%減の5718億円、非製造業が26・1%減の2兆5601億円で、特に製造業からの受注の大きな落ち込みが目立つ。

製造業のうち機械産業からの受注額を見ると、家電などの電気機械は前年同期の2333億円が562億円へと激減。自動車などの輸送用機械も2016億円が324億円に、工作機械などのその他機械も1559億円が306億円にそれぞれ急減した。非製造業は、主力の不動産業からの受注額が前年同期の1兆3897億円から8720億円と5200億円余り減少。金融・保険業からの受注額は半減し、商業からの受注も30%近く減った。不動産業からの受注は07年度下半期から4四半期連続して前年割れの状態にある。

官公庁からの受注は前年同期比7・4%減の9344億円。発注者別内訳は国の機関が5981億円(前年同期比7・3%減)、地方の機関が3363億円(7・6%減)だった。民間設備投資や不動産開発が年度後半に急回復する材料はなく、厳しい受注環境は当分続く可能性が高い。年間受注額が10兆円を割り込めば、1978年度以来となる。

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