2009/11/19 2次補正予算の編成着手/脱・公共事業、重点分野は環境など/政府

【建設工業新聞 11月19日 記事掲載】

政府は、追加経済対策を盛り込んだ09年度第2次補正予算案の編成作業に入った。17日に公表した指針では、需要創出に効果のある従来型の公共事業への予算配分は見送り、「雇用」「環境」「景気下支え」の3項目を重点分野に位置付けた。10年度予算と一体的な「15カ月予算」として編成し、切れ目のない予算執行で景気失速を防ぐ考えだが、予算規模や具体的な事業については閣僚の間で意見が分かれており、景気対策としての即効性を疑問視する声もある。

菅直人副総理兼国家戦略担当相は17日、各省庁に対し、雇用、環境、景気下支えに効果のある具体的な事業のリストアップを指示。鳩山政権が掲げる「コンクリートから人へ」の理念の下、過去の景気対策で行われてきた公共事業に重点を置いた予算編成を根底から見直す方針をあらためて表明した。

2次補正の財源は1次補正の見直しで工面した2兆7000億円を想定。施策の詳細や規模は各府省の副大臣・政務官で構成する「経済対策検討チーム」で月内にもとりまとめ、年明けの通常国会に提出する運び。具体的な施策として、介護や農林分野での新規雇用創出策や、光熱費を節約できる断熱住宅への「エコ住宅ポイント」、太陽光パネルの普及、環境分野での新産業育成策などが盛り込まれる方向で調整を進める。ただ、打ち出される施策の中心は中長期的な成長を目的としたもので、景気下支えに対する即効性を疑問視する声も少なくない。

菅副総理は17日の閣議後会見で「(公共事業などの)財政出動をしなければ、需要は拡大しないという発想は間違っている」と強調。「何としても二番底にならないように景気を効果的に引き上げる」と表明したが、亀井静香金融・郵政改革担当相は同日、「まずは財源ありきで予算を組むのは逆さまの議論」として予算規模の大幅拡大を主張するなど、閣僚からも異論が出ている。

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