2009/11/24 前原誠司国交相/143ダム事業見直し、12月3日に有識者会議発足

【建設工業新聞 11月24日 記事掲載】

前原誠司国土交通相は20日の閣議後会見で、全国143ダム事業の再検証・見直し作業を行う有識者会議を12月3日に発足すると発表した。前原国交相が掲げるダムに頼らない治水への転換を目指し、幅広い治水対策案の立案手法や新たな評価軸の検討、総合的な評価の考え方、今後の治水理念の構築を目指す。10年夏をめどに中間とりまとめ、11年夏をめどに提言をまとめる。

会議の名称は「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」。メンバーは9人で、座長には中川博次京大名誉教授が就く。前原国交相は人選について「ダム建設ありきの人や、ダムの絶対反対論者は除外し、ニュートラルで公平な立場から考えられるメンバーを集めた」と説明。その上で「最適な河川管理の実現に向けた物差しもつくってもらうが、その過程でダム建設推進やダム反対の人々からも幅広くヒアリングしたい」と述べ、一定の時間をかけて今後の治水対策のあり方を検討する考えを示した。

最終的な提言については「自治体の補助ダム整備の検討などに活用してもらいたい」と述べた。初会合には前原国交相も出席する予定。座長以外のメンバーは次の各氏。▽宇野尚雄岐阜大名誉教授▽三本木健司明海大名誉教授▽鈴木雅一東大大学院農学生命科学研究科教授▽田中淳東大大学院情報学環総合防災情報研究センター長・教授▽辻元哲郎名古屋大大学院工学研究科教授▽道上利矩鳥取大名誉教授▽森田朗東大公共政策大学院教授▽山田正中央大理工学部教授。

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