2009/11/24 全国知事会PT/国の出先業務を「事業仕分け」へ/地方移管を原則に業務分類

【建設工業新聞 11月24日 記事掲載】

全国知事会の「国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム(PT)」(座長・上田清司埼玉県知事)は19日、国土交通省の地方整備局など8府省の17機関が行う業務を対象に独自の「事業仕分け」を行うことを決めた。地方への移管を原則に、廃止や民間への移管を含めて国の業務を分類し、国の出先業務を最小限に絞り込む。来年3月までに提言をまとめ、政府の地域主権戦略会議に提出し、国側との交渉に入る。

PTに参加する自治体の職員でつくる幹事会で大枠の仕分けを行い、県域をまたがる広域的な事業や大規模事業といった線引きが難しい事業をPTの場で協議する。仕分けの分類は「地方移管」「廃止・民間移管」「国に残すべき業務」の三つとするが、線引きが難しい事業については有識者を呼んで参考意見を聴取することも検討する。12月17日に開催予定のPT会合で仕分けの分類を明らかにする。

上田座長は会合後の会見で「国の出先業務の半数以上は地方に移管できると思う」と仕分けの見通しを示すとともに、「国道の管理は地方の3倍の人員でやっている。この点から考えると、地方に業務を移管することでコストも3分の1に抑えられる」と地方移管の効果を説明した。事業仕分けと合わせ、都道府県連合による広域的な事業の実施主体となる受け皿(広域連合)の検討も進める。

上田知事は受け皿のイメージについて「まだ何も決まっていない」としつつ、「首都圏の1都3県の知事と政令市長でつくる8都県市首脳会議は関東の受け皿になるかもしれない。既にある関東知事会や近畿ブロック知事会などが受け皿となる可能性もある」との今後の議論の方向性を示した。さらに本年度末にまとめる提言についても、両論併記や検討先送り型の提案は行わない考えを明らかにした。政府は現在、地方分権改革推進委員会が10月にまとめた第3次勧告に基づき、国が地方の仕事のやり方を縛っている「義務付け・枠付け」の廃止や条例への委任などを各府省に要求している。

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