2009/12/03 国交省/中小建設業の内部統制向上へセミナー/12月7日から全国8カ所で

【建設工業新聞 12月2日 記事掲載】

国土交通省は、中小建設業の法令順守や適正取引といった内部統制の取り組みを向上させるガイドラインを周知するため、7日から全国8カ所でセミナーを開く。各地方整備局を通じて建設業者を集め、ガイドラインに沿って内部統制の目的や導入手法、効果などを説明。内部統制が難しいものではなく、業務の手戻りやミスを削減するメリットがあることを理解してもらう。併せて、10月1日から施行された住宅瑕疵(かし)担保履行法への対応についても説明する。

内部統制向上ガイドラインは今年3月、「建設業における内部統制のあり方に関する研究会」(座長・高野伸栄北大大学院准教授)がまとめた。社員50人規模の中小建設会社を対象に、法令順守や適正取引といった内部統制の自主的取り組みを促進する内容だ。中小企業の場合、内部統制にどう取り組んでよいか分からないといったケースも多いため、その目的やメリットを解説した上で、導入手順を示している。

セミナーでは、同研究会の委員が講師となり、ガイドラインの内容を説明。内部統制の取り組みが経営の健全化や効率化につながり、社会的信頼を確保できるメリットを強調する。ガイドラインでは内部統制に取り組むメリットとして、▽重大なミスを犯さず、確実かつ効率的に業務を遂行▽重要社員の突然の退職から自然災害まで、直面するさまざまなリスクへの事前の備え-も挙げており、こうした点も説明する。ガイドラインでは、自社の内部統制の状況を把握するチェックリストやレーダーチャート、さらには先行事例なども紹介しており、セミナーでは、内部統制が新たに特別な業務を行うものではなく、日常業務をうまく取り入れることが大事な点などを理解してもらう。

住宅瑕疵担保履行法への適切な対応も促す。同法では、宅建業者以外から賃貸住宅工事を請け負った建設業者などに、瑕疵担保責任を履行するための資力確保措置(保険加入または保証金供託)が義務付けられた。3月31日と9月30日の年2回を基準日として保険契約や保証金の供託状況を建設業許可行政庁に届け出なければならない。届け出をせずに新築住宅の請負契約を締結すると建設業法に基づく監督処分の対象となるため、1回目の基準日である来年3月31日を前に、全国で周知徹底する方針だ。

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