2009/12/9 前原誠司国交相/八ツ場ダムは再検証の対象事業に/川辺川ダムは除外

【建設工業新聞 12月9日 記事掲載】

前原誠司国土交通相は8日の閣議後会見で、来年夏に取りまとめるダム事業の新たな評価基準案に基づいて事業内容の再検証に入るダムとして、建設中止を表明している八ツ場ダム(群馬県)を選ぶ考えを明らかにした。同じく建設中止を表明している川辺川ダム(熊本県)については、地元自治体が既に「ダムに頼らない治水」を検討しているため、見直しの対象から除外するとしている。

現在、前原国交相が見直しの対象に挙げているのは建設・計画中の143ダム事業で、有識者会議が10年夏の中間取りまとめに向けて評価基準案の検討を始めている。中間取りまとめの時点から新たな評価基準案に沿って143ダム事業の中止や見直しなどを決める作業を進める予定だ。

前原国交相は会見で、地元や1都5県が建設中止に反対している八ツ場ダムについては再検証の対象事業に選ぶと明言。一方で熊本県知事が既に事業の白紙撤回を求めている川辺川ダムについては「地元自治体間でもダムに頼らない治水のあり方を模索している」と述べ、再検証のプロセスは取らない考えを示した。 また、熊本県知事が球磨川水系の県営荒瀬ダム(八代市)の撤去費用を国に求めている問題については「荒瀬ダムは発電用ダムで、今の仕組みではダムが不要になった場合、事業者が取り壊すことになっている。どういう方法論があるか検討はする」と述べるにとどめた。

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