2009/12/28 10年度予算案が閣議決定/公共事業費18%減5・7兆円、過去最大のマイナスに

【建設工業新聞 12月28日 記事掲載】

政府は25日、10年度予算案を閣議決定した。政府全体の公共事業関係費は前年度比18%減の5兆7731億円で、過去最大の削減幅となった。09年度の補正予算分を含めた公共事業費(9・4兆円)と比べると38%減の大幅マイナスで、「コンクリートから人へ」を政策理念に掲げる鳩山政権の方針が色濃く反映された予算案となった。国土交通省所管分の予算案は総額5兆5846億円(前年度比12%減)で、このうち公共事業関係費は4兆8585億円(15%減)となった。全国で89のダム事業の再検証や道路事業の縮減などにより、公共事業の抑制を図る方針が徹底された。一方で、既存の補助金を統合した2・2兆円規模の社会資本整備総合交付金(仮称)の創設が盛り込まれた。

政府全体の公共事業関係費を見ると、道路関係が25%減、空港関係が21%減、港湾関係が25%減などと多くの分野が軒並み2割以上のマイナスとなった。国交省分の内訳は、治山治水が6131億円(24%減)、道路整備が9821億円(20%減)、港湾空港整備等が3807億円(20%減)、住宅都市環境整備・仮称が5040億円(79%減)、水道廃棄物処理等・仮称が858億円(88%減)。

10年度予算案では、これまで各項目に盛り込まれていた補助金を一括して社会資本整備総合交付金として別枠計上しているため、各項目ごとの削減幅は大きく見える結果となっている。補助金分を差し引いた形で前年度予算と比較すると、治山治水が3%増、道路整備が10%減、港湾空港整備等が14%減、住宅都市環境整備が31%減、水道廃棄物処理等が2%増で、やはり削減幅が大きい事業も少なくない。

ダム事業については、必要最小限の予算とする方針が示された。道路整備では、原則として新規事業を行わないとし、直轄事業の事業個所数は2割以上削減する。港湾の国際競争力強化や国際拠点空港の機能強化などにも取り組む。このほか、国直轄事業の費用の一部を地元自治体が負担する直轄事業負担金のうち維持管理費分の負担廃止や、公共事業に対するチェックの充実も掲げた。

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