2010/05/06 国交省/下請保護と法令順守、建設業者への指導強化を/都道府県に要請


【建設工業新聞 5月6日 記事掲載】

  国土交通省は、3月16日にまとめた「入札契約制度のさらなる改善策」の一環として、都道府県に対し、下請対策の適正化や書面契約の促進に取り組むよう求める通知を出した。下請業者へのしわ寄せの問題は中小建設業で多いと予想されることから、中小企業が多い知事許可業者への適切な指導を要請した。
  入札契約制度のさらなる改善策は、前原誠司国交相の指示を受けて同省がまとめた。経営事項審査(経審)制度の改善や下請企業対策の充実を図る内容で、このうち都道府県に関係する部分について、小澤敬市建設流通政策審議官名で通知し、適正な取り組みを求めた。具体的には、まず、元請・下請、さらには2次下請以下を含めて書面契約を徹底するよう指導強化を要請。下請業者から、不当なしわ寄せや代金未払いなどの相談があった場合は適切に対処し、国交省の地方整備局とも連携して立ち入り検査などの指導を行うよう求めた。建設業法をはじめとする法令順守に向けては業界の意識改革も必要となるため、建設業者向け研修会の開催なども要請した。
  一括下請や現場技術者の設置義務違反などの不正行為取り締まりと、技術者の名義借りなど経審の虚偽申請に対するチェック体制の強化も求めた。さらなる改善策では、「建設業適正取引化推進月間(仮称)」の創設も挙がっており、関連事業などへの協力も要請した。実施時期や事業内容はこれから詰めるため、同月間の設定は秋口となりそうだ。
  経審の虚偽申請防止や下請契約の適正化について同省は、さまざまな機会を通じて都道府県に協力を求めてきたが、現場への立ち入り検査の実施では、自治体によって温度差がある。昨年設置した建設業取引適正化センターでも、下請代金支払いに関する相談が7割を占めるなど課題が指摘されており、都道府県に指導強化をあらためて要請することにした。

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