2010/09/22 馬淵澄夫国交相が就任会見/新たな公共事業のあり方検討/戦略的にインフラ維持

【建設工業新聞 9月 22日 記事掲載】

 菅改造内閣で国土交通副大臣から昇格した馬淵澄夫国土交通相は21日、日刊建設工業新聞など建設専門紙各社と就任記者会見し、公共事業が縮小していることについて「地方からは不安の声が聞こえる。公共事業はとにかく無駄で削減すべきだという発想に立っていない」と述べ、必要な公共事業には予算をしっかりと配分していく姿勢を示した。さらに、インフラの戦略的な維持管理・更新などに重きを置いた新たな公共事業のあり方を整理するとの方針を表明。この中で真に必要な公共事業の方向性を打ち出す考えを明らかにした。
 
 
 馬淵国交相は「昨年度は1年間で、公共事業費1・3兆円を4年で削減するという(昨年の民主党の衆院選)マニフェストを実現した」と民主党政権としての公共事業見直しの成果を指摘した上で、「ただ、(公共投資が減少したことで)地方からは不安の声が聞こえてくるのも事実」と述べ、公共事業がこれまで経済対策として一定の効果を上げてきたとの認識も示した。公共事業の予算が「地方にしっかりと回るようなやり方を考えるべきだ」とも語った。政府が検討中の補正予算の編成に関しては「いつ編成があっても大丈夫なように国交省として公共事業の増額要求も含め具体的な要求内容を検討したい」と述べた。
 
 
 今後の公共事業については、「インフラは全国で概成し、真に必要なものは絞られてくる」との見方を示し、真に必要な公共事業や経済対策として効果のある公共事業について議論することが重要との考えを表明。国交相の諮問機関である社会資本整備審議会(社整審)と交通政策審議会(交政審)の議論を通じて社会資本整備重点計画を見直し、インフラの維持管理・更新や環境に配慮した事業など新たな公共事業のあり方について早急に検討する方針を明らかにした。
 
 
 入札契約制度の改善の取り組みについては「入札契約制度は大改正よりも不断の努力が重要であり、広く意見を聞き、前向きな取り組みをしたい」と強調。総合評価方式の入札については「自民党政権下で一定の改革が進んできたと思っていたが、まだまだ足りない。改革は終わっていない。今後も改革の動きを一層強化する」と述べ、改善の結果をフィードバックしながらより効果的な改善策を進める考えを示した。

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