2010/10/12 経済対策第2弾/5・1兆円規模の補正予算案提出へ/国交省関係は4800億円

【建設工業新聞 10月 12日 記事掲載】

 政府の「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」で、財政支出額約5兆1000億円(特別会計を含む)、事業費で約21兆1000億円程度を見込む第2弾「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」が動きだす。政府は8日に対策を閣議決定したのを受け、今月下旬に対策を盛り込んだ10年度補正予算案を臨時国会に提出、早期成立を目指す考えだ。初弾の予備費約9200億円を活用した緊急対策に続き、切れ目のない迅速な政策対応によって需要・雇用の創出を目指す。
 
 
 今回の経済対策は、▽雇用・人材育成(国費ベース約0・3兆円)▽新成長戦略の推進・加速(約0・4兆円)▽子育て・医療・介護・福祉など(約1・1兆円)▽地域活性化、社会資本整備、中小企業対策など(約3・1兆円)▽規制・制度改革-の5本柱で構成。財源には10年度税収の上振れ分や、金利低下による国債利払いの不要分などを充てる。国庫債務負担行為により、事業ベースで約2500億円規模の公共事業の前倒し契約も行う。
 
 
 国土交通省関連の予算規模は4800億円程度。11年度予算の概算要求に計上した施策のうち、都市鉄道整備事業や住宅版エコポイント制度の対象拡充などを前倒しで盛り込んだ。社会資本整備分野では、鉄道関連として▽仙台市の地下鉄東西線▽相模鉄道・JR直通線と同鉄道・東急東横線の相互乗り入れ▽阪神三宮駅の改良-などに予算を追加計上し、事業を加速。建設中の整備新幹線も11年度に計画していた工事を前倒しで発注する。
 
 
 このほか、高速道路の未整備区間(ミッシングリンク)の解消や幹線道路のネットワーク整備、橋梁など道路構造物の保全対策、国際コンテナ戦略港湾のハブ機能強化、首都圏空港の強化などに取り組む。自治体への社会資本整備総合交付金(当初予算2兆2000億円)の上積みも行う。新成長戦略の分野では、住宅版エコポイントについては初弾の経済対策での期間延長に続き、今回はポイント発行対象に▽太陽熱利用システム▽節水型便器▽高断熱浴槽-の三つを新たに加えた。環境投資の促進に向け、建築物の省エネ改修の事業費のうち3分の1を補助する制度も創設する。

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