2010/12/20 建設産業戦略会議が初会合/馬淵澄夫国交相「タブー恐れず議論を」

【建設工業新聞 12月 20日 記事掲載】

 建設産業の再生方策について議論する国土交通省の有識者会議「建設産業戦略会議」(座長・大森文彦東洋大法学部教授)の初会合が17日に省内で開かれた。冒頭、馬淵澄夫国交相は、公共投資が減少する中での地域建設業の再生を中心に、建設産業全体の今後の在り方を検討することが必要だと指摘し、「タブーを恐れず、建設産業の見直しの議論を果断にやっていただきたい」と要請した。建設産業戦略で各委員から意見聴取を実施するなど、議論が本格的に始まった。
 
 
 初会合では、大森座長が建設業法、小澤一雅東大大学院教授が入札契約制度と技術者制度、草柳俊二高知工科大大学院教授が地域と国際、高木敦モルガン・スタンレーMUFG証券マネージングディレクターが建設会社の経営、丹羽秀夫公認会計士が地方企業の原価管理、古阪秀三京大大学院准教授が重層下請と、それぞれの専門の立場から建設産業の現状と課題を説明した。
 
 
 さらに、24日に2回目の会合を開き、戦略の基本方針の策定に関して日建連、全建、建専連の3団体からヒアリングを行うことを決定。同様の趣旨で主要建設業団体に対して行っているアンケートの結果も踏まえ、基本方針のたたき台を作成する。来年1月6日に開く3回目の会合で基本方針を打ち出す。
 
 
 基本方針の策定後は11年度以降に行う施策を検討し、来年3月に入札契約制度の見直しを中心に施策を打ち出す予定。公共工事入札契約適正化法に基づく適正化指針の変更を含め幅広く検討する。その後、6月をめどに建設業法の改正も視野に建設産業の再生に資する施策をまとめる。馬淵国交相は会合の中で、すぐに実行できる施策は1月中にも行いたいとの考えも示したという。

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