2011/01/06 馬淵澄夫国交相/建設産業戦略、3月に具体策/八ツ場ダムは基本高水を再検証

【建設工業新聞 01月 06日 記事掲載】

 馬淵澄夫国土交通相は5日に行った年頭記者会見で、国土交通行政の主要6施策について、これまでの成果とスケジュールを含めた今後の取り組みの方向性を明らかにした。建設産業の再生方策を議論する有識者会議「建設産業戦略会議」については、6日に開く会合で戦略の基本方針をまとめ、3月中に11年度以降に行う具体策を打ち出すとあらためて強調。八ツ場ダム建設問題では、利根川水系の治水施設の整備目標を定める際の根拠としている「基本高水」を再検証する目的で、ダム建設賛成・反対両派を含めた有識者検討会を設置する方針を表明した。
 
 
 馬淵国交相は、国土交通行政について「国土の礎である社会資本整備」「豊かな国民生活の実現」「地域経済を支える産業の育成」という三つの役割があると指摘。この役割を果たすために昨年9月の就任以降取り組んできた▽社会資本整備重点計画の見直し▽交通基本法の検討▽建設産業戦略会議の設置▽不動産投資市場戦略会議の設置▽八ツ場ダム建設問題▽高速道路の無料化-の6施策を挙げ、これまでの取り組み土台に今年は具体的な成果を打ち出すとの強い姿勢を示した。
 
 
 社会資本整備重点計画の見直しについては、社会資本整備審議会(社整審)と交通政策審議会(交政審)の計画部会合同会議が昨年12月にまとめた次期計画の骨子案をたたき台に、「計画の実効性を担保する具体的な手法づくりに取り組む」と強調。「ばらまき型」の公共事業を見直し、国民に分かりやすい形で事業の選択と集中を図るとの方針を示した。
 
 
 建設産業の再生方策を議論するため、昨年12月に設置した建設産業戦略会議については、これまでの2回の会合で業界団体へのヒアリングなどを実施したことを踏まえ、「6日に行う第3回会合で戦略の基本方針の取りまとめに向けた討議を行い、まとまり次第発表する」とあらためて表明。その上で「建設業の従事者が建設産業や地域の担い手として誇りを持てるよう、所管官庁としてしっかりと見守るという姿勢を明確に示す」と述べた。具体策の展開については、基本方針に基づいて、直ちに実施できるものは3月中に取りまとめ、制度改正が必要なものも含めた全体施策は6月をめどに取りまとめを行うとした。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る