2011/01/13 公共調達適正化研究会/業界に改善提案要請/5団体ヒアリング結果踏まえ

【建設工業新聞 01月 13日 記事掲載】

 公共調達を適正化する法案の制定を目指す超党派議員による「公共調達適正化研究会」は12日、2回目の会合を開き、全国建設業協会(全建)や日本土木工業協会(土工協)、建設産業専門団体連合会(建専連)などの業界団体へのヒアリングを実施した。各団体は、過当競争を是正する発注量の確保や、入札契約制度の見直し策として技術力で差がつく総合評価方式への改善、地域の実情に応じた入札契約制度の導入、地方自治体による予定価格の事前公表廃止などを要望。研究会はこれを踏まえ、各団体に入札契約制度の具体的な改善提案を求め、議員立法の詳細案に生かす。
 
 
 ヒアリングに参加したのは全建、土工協、建専連のほか日本道路建設業協会(道建協)、日本橋梁建設協会(橋建協)の計5団体。各団体は、公共工事の急減で価格競争が激化し、経営が非常に厳しい状態にあると説明。土工協は景気をけん引する内需拡大が必要で、そのために高速道路や新幹線、ハブ港湾など経済成長に役立つ公共事業を確保するよう訴えた。
 
 
 入札契約制度については全建が、特に地方の工事で低入札価格調査の基準額ぎりぎりで入札し、最終的にくじ引きで落札者を決める状況がまん延しているとし、予定価格の事前公表廃止を含む改善を要望。地方では地域経済を守る観点から指名競争を導入しているケースもあるとして、地域の実情に合った制度の導入が必要だと指摘した。土工協は総合評価方式の入札について「数十社が参加し、技術提案に差はない。労力と費用がかかる割に受注できなければ各企業のモチベーションも下がる」と述べ、技術と経営に優れた企業が残れる新たな仕組みづくりを求めた。
 
 
 研究会側からは、脇雅史参院議員(自民)が「公共調達のことをよく知っているのは業界だ。理想でもいいから具体的な制度設計を各団体が提案するべき」と述べ、各団体それぞれが具体的な提案をまとめて提出するよう要請した。研究会は来週中にも次回会合を開く。

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